【動画付き】翌日に疲労を残さないためのランニング後ストレッチ2選

公園でストレッチをする男性

普段の運動不足が気になって休日にランニングを始めたのはいいものの、走ったあとは足がだるいし翌日には筋肉痛に襲われて、なんだかランニングを続ける気がなくなってきた…

 

そんな経験をした初心者ランナーの方は特に、走ったあとの筋肉疲労をどうやって解決するのか知りたいはずです。

 

そこで本記事では、運動後の体をクールダウンさせ翌日の筋肉痛を予防するためのストレッチを、動画付きで2種類紹介します。

ストレッチをおこなう最適なタイミングや、より効果的にストレッチをおこなうコツ、ランニング後にストレッチをするメリットもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

1.ランニング後の疲労回復におすすめのストレッチ

走り終わったあとに立ったまますぐおこなえるものと、座っておこなうものに分けて、筋肉疲労を和らげるためのストレッチを2つ紹介します。

どちらの動画も、ランニングで使用する筋肉をくまなくケアできる内容になっており、実践時のポイント解説も聞けるので、これからストレッチを始める方にぴったりです。

 

動画を見ながら実際にストレッチをおこなってみましょう。

1-1.ランニング直後に立ったままその場でできるストレッチ

走り終わったあとにわざわざ座れる場所まで移動するのは面倒くさい、ランニング後に屋外ですぐストレッチをしたい、という方におすすめの立位でできるストレッチです。

【動画紹介】

<ストレッチ部位>

①ふくらはぎ(アキレス腱)※左右片方ずつ

②腰・太腿横(腸脛靭帯)※左右片方ずつ

③太腿裏(ハムストリングス)※左右片方ずつ

④お尻・股関節※左右片方ずつ

⑤内腿・股関節

⑥体全体

⑦胸

⑧首の横

⑨首の後ろ

<注意点・ポイント>

動画と同じ順番で、すべての部位をストレッチしてください。

動画内では1箇所数秒になっていますが、基本的には1箇所20秒間かけてじっくりと筋肉を伸ばすようにしましょう。※その場合、全工程で4分になります。

1セットおこなって筋肉の緊張がまだ気になる場合は、その部位だけもう12セット繰り返してください。

無理やり伸ばさず、痛気持ちいい程度で姿勢をストップしてください。

1-2.公園などで座ってリラックスしながらできるストレッチ

心身ともにリラックスしながらじっくりとストレッチをしたい方には、公園の芝生や屋内で、座位でおこなうストレッチがおすすめです。

 

【動画紹介】

<ストレッチ部位>

①ふくらはぎ(ヒラメ筋)※左右片方ずつ

②ふくらはぎ(下腿部)※左右片方ずつ

③下腿裏(ハムストリングス)※左右片方ずつ

④太腿前(太腿四頭筋)※左右片方ずつ

⑤お尻(大臀筋)※左右片方ずつ

⑥お尻(中臀筋)※左右片方ずつ

⑦股関節(内転筋)

⑧腰と背中

⑨上半身

⑩胸

⑪首の横

⑫首の後ろ

<注意点・ポイント>

動画と同じ順番で、すべての部位をストレッチしてください。

動画内では1工程が数秒になっていますが、基本的には1箇所20秒間かけてじっくりと筋肉を伸ばすようにしてください。※その場合、全工程で6分になります。

1セットおこなって筋肉の緊張がまだ気になる場合は、その部位だけもう12セット繰り返してください。

無理やり伸ばさず、痛気持ちいい程度で姿勢をストップしてください。

2.ランニング後のストレッチの最適なタイミングと時間

時計

ストレッチには適したタイミングと時間の尺があり、正しくおこなうことでランニング後の疲弊した体をより労われます。詳しくは次に説明します。

2-1.運動直後から約30分以内

ストレッチに最適なタイミングは、運動を終えてから約30分以内です。運動後に時間が経過し体が冷えてしまってからでは、筋肉が固まって柔軟性が低下しているため、ストレッチによって筋繊維を傷つけてしまう可能性があるからです。

 

走り終えたら軽く呼吸を整え、体が冷えないうちにストレッチを開始しましょう。

2-2.軽いジョギング程度なら5分、ハードなランニングなら10

ランニング後のストレッチに適した時間の長さは、軽めのジョギングなら5分、1km5分ペースのハードなランニングなら10分程度です。運動の強度によって時間が異なる理由は、よりハードな運動をしたあとのほうが関節や筋肉を通常運転に戻すために時間を要するからです。

 

軽めの運動なら5分、激しい運動なら10分程度を目安に、徐々に体を落ち着かせていくイメージで深呼吸をしながらストレッチをおこないましょう。

3.ランニング後のストレッチを効果的にするコツ

ストレッチをする男性

続いて、ストレッチによる体の疲労緩和やクールダウン効果を高めるコツを紹介します。

3-1.走り終わったらウォーキングを挟む

走り終わった直後にストレッチをおこなうのではなく、一旦ウォーキングを挟みましょう。

徐々にペースダウンをして呼吸を整えながら運動を継続することで、筋肉が硬直するのを防ぎつつ体をストレッチに適した状態にするためです。

 

具体的には、510分かけて徐々に走るスピードを落としウォーキングに切り替えます。ゴール地点の1km前からスピードを落とす、などと目安をつけておくと楽です。

3-2.ストレッチ中は4つのことを意識する

ランニングで疲弊した筋肉に余計な負担をかけないよう、さらには筋肉をしっかり伸ばすためにも、ストレッチ中は以下4つのポイントを心がけてください。

 

A)伸ばす筋肉を意識する

「今どこの筋肉が伸びているのか」を意識しながらストレッチしましょう。何も考えずにストレッチしていると、筋肉が十分に伸びず効果が半減してしまうこともあります。

 

イヤホンで音楽を聴いているときなど、注意が逸れて「ちゃんと筋肉を伸ばしたつもり」でストレッチが中途半端にならないよう気をつけてください。

 

B20秒間キープ

最も筋肉が伸びているとき、その姿勢で20秒間キープしましょう。

痛みを感じるほど伸ばしてしまうと筋肉が傷つく可能性があるので、痛気持ち良いと感じるところで止めるようにしてください。

 

なお、過去の実験において男女ともに10秒ではストレッチ効果が不十分で、20秒以上で有意な結果が得られ、男性は20秒程度のストレッチが最も効率的だと判明しています。

 

C)自然呼吸

姿勢をキープしているときに息を止めず、ストレッチ中は常に自然な呼吸でリラックスすることを意識してください。

息を止めると筋肉に余計な力が入って緊張状態になってしまい、ストレッチの効果が弱まってしまうからです。

 

D)反動をつけない

無理に反動をつけないようにしましょう。反動をつけて無理やり筋肉を伸ばすと、可動域の限界を超えた筋や腱が傷を負ってしまう可能性があるからです。

 

反動をつけて無理やり体の可動域を広げるのではなく、ゆっくりと筋肉を伸ばすことで体の負担を軽減できます。

3-3.アイシングをする

ランニングを終えたあとに筋肉が炎症を起こしている場合はもちろん、筋肉の疲労を取りたいときにもアイシングは有効です。

冷却作用により血管を収縮させて新陳代謝を低下させ、筋肉の損傷を食い止めて炎症を抑えるほか、体温を下げて緊張状態にある筋肉の活動を抑止することで疲労回復を促します。

 

もし走行後に腫れや痛みを感じる場合は、悪化を防ぐために一刻も早く冷やすことが肝心です。

ランニング後に特にアイシングが必要な部位は、大きな負荷により熱や痛みが発生している膝や足首などの関節、ふくらはぎや太ももの筋肉などです。

 

アイシンググッズが手元にない、もしくは痛みや違和感が特にないのであれば、自宅に帰ってから保冷剤や氷嚢(ひょうのう)、シャワーの冷水、氷水を入れたビニール袋などを使って1015分ほど(感覚が麻痺するまで)冷やしましょう。

3-4.ストレッチ後にマッサージをする

セルフマッサージで筋肉の緊張状態を和らげることも、疲労蓄積の予防につながります。

ランニングによって特に負担が掛かる下半身(足裏・足指・ふくらはぎ・太もも)の筋肉を中心に、心地よい力加減でほぐしましょう。

<足裏のマッサージ方法>

①痛気持ちいい程度の強さで、指の腹を使って足裏全体を30秒間刺激します。

 

<足指のマッサージ方法>

①人差し指から小指をそれぞれ足指の間に挟み、足指を5回開閉させます。

②手の親指と人差し指を使って足指周辺を30秒間ほぐします。

 

<ふくらはぎのマッサージ方法>

①くるぶしを手指でやさしくほぐします。

②くるぶしから膝下に向かい、両側から包むようにしてふくらはぎを両手指でほぐします。

※ふくらはぎの中央、内側、外側の3点を意識してもみほぐすようにしましょう。

※筋肉を緩めるため、軽く膝を曲げた状態でマッサージをおこないましょう。

 

<太もものマッサージ方法>

①太ももの前面を両手で左右から包み込み、円を描くようにして膝上から付け根までほぐしていきます。

②両手指を使い、やさしく膝下から付け根まで撫であげます。

※太ももは前、後ろの2点に分けて順番に。

※筋肉を緩めるため、太ももの前面は膝を伸ばした状態、背面は軽く膝を曲げた状態でマッサージをおこないましょう。

4.ランニング後のストレッチがもたらす2つのメリット

走り終わったあとは疲れてストレッチをするのが面倒…と思う方も多いはず。

でもランニング後のストレッチには、以下2つのようなメリットがあるのです。

4-1.翌日以降の筋肉痛を緩和する

ふくらはぎの筋肉痛

ランニング後のストレッチには筋肉疲労を和らげ、翌日以降に出現する筋肉痛を軽減する効果が期待できます。

 

筋肉痛のメカニズムを説明すると、運動中に筋肉が伸びたり縮んだりする収縮運動によって筋繊維(筋肉を構成している繊維状の細胞)が断裂を起こし、それを修復する過程で痛みが生じています。ストレッチをして体内の血行を促進すると、損傷した筋組織の回復スピードを速めることができるのです。

 

一方で運動後にケアを怠ると筋肉は硬くなり、周囲の血管が圧迫されて疲労回復に欠かせない酸素や栄養源が届きにくくなってしまいます。

 

運動によって硬くなった筋肉をほぐすことで、直後に感じる「足が重くてだるい」といった筋肉疲労を緩和し、徐々に現れる筋肉痛を予防できるのです。

4-2.体調不良を阻止できる

運動直後のストレッチで呼吸を整え、心拍数を緩やかに低下させることで、めまいや吐き気などの不調を防ぐことができます。

 

ランニングなどの運動中は体全体に血液が活発に運ばれ、心拍数が上昇しています。突然運動を停止した場合、血圧が急激に下がって脳が貧血状態になり、めまいや吐き気、たちくらみ、動悸、頭痛を引き起こす可能性があります。

 

ストレッチをする過程で徐々に心拍を整えることで、急な運動停止による体調不良を阻止できるのです。

5.まとめ

今回はランニング後におすすめのストレッチを2つ紹介しました。

走り終えたあとにその場で立位のままストレッチをしたいなら1-1.、座ってリラックスしながらストレッチをしたいなら1-2.の動画を参考にしてください。

 

なお、ストレッチは走り終えてから30分以内に、軽めのジョギングなら5分程度、1km5分ペースのハードなランニングなら10分程度を目安におこないましょう。

 

また、ストレッチをより効果的にしたいときは以下のことを実践してみてください。

  • ストレッチの前にウォーキングを挟む
  • 伸ばす筋肉を意識
  • 痛気持ちいいところで20秒間キープ
  • 息を止めずに自然に呼吸をする
  • 反動をつけない
  • アイシングやマッサージと組み合わせる

ランニング後の疲労や体調不良を緩和できるのがストレッチの大きなメリット。

足に疲れが残るのが怖いときには、ぜひストレッチを実践してみてください。

 

ランニング前のストレッチ方法も知りたい方は、下記の記事もお読みください。

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参考文献:

渡邊博史・松岡潤・梨本智史・古賀良生・大森豪・沿道和男・田中正栄・縄田厚・佐々木理恵子(2013)「静的ストレッチングの有効な持続時間について~下肢筋力測定・訓練器による太腿四頭筋緊張度変化の検討~」, 厚生連医誌第22134-38,http://www.janiigata.sakura.ne.jp/JMNK/22-1/34.pdf

 

野田康永『血管死を防ぐ』マガジンハウス,2017

 

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