前の日に寝たときは何ともなかったのに、朝起きてみると腕や手が重くてだるい。
あるいは、手をグーパーすると違和感がある、といったことはないでしょうか。
そんなとき二の腕や手を見ると、むくんでいるかもしれません。
しかし「そのうちもとに戻るだろう」と、気にすることなく放置している方は多いはず。
確かに、これまでにはない手や腕の使い方をしたり、重い物を長い時間持っていたりと、原因に思い当たることがある場合はあるでしょう。
しかし、もっと他のところに根本的な原因があるかもしれません。
1.手や腕のむくみ―原因はどんなことが考えられるの?
手や腕、二の腕がむくむ原因はさまざまです。ショッピングで重い荷物を持ったり、普段しないスポーツを行ったり。
あるいは過度な飲酒、水分・塩分過多、寝不足、腕を下にして寝ていたなどが考えられます。
そさらに手や腕のむくみは、更年期障害の一症状でもあるといわれているのです。
もし「これが原因かも?」ということがあるなら、改善策も見つけやすいでしょう。
しかし「なぜか分からない」という場合は、病気のサインということも考えられます。
例えば腎臓の病気、甲状腺の病気、静脈に関わる病気など。こうした可能性が潜んでいることを、あらかじめ心に留めておきましょう。
2.基本的生活習慣の改善でむくみを予防
病気を原因としないむくみであれば、まず試してみたいのが普段の生活を見直すこと。
塩分の摂り過ぎに気をつけ、野菜を多く摂り入れたバランスの良い食事をすること。
あるいはお酒の量が適度か、睡眠不足でないかなども考えてみてください。
また、定期的に運動して心身ともにリフレッシュを図ることも、むくみを改善するうえで大切です。
3.手や腕がむくんでしまったら―マッサージが効果的!
生活習慣の改善には、ある程度時間が必要です。そのため、「その過程で手や腕がむくんでしまったらどうするの?」と思われる方がいるかもしれません。
そんなときにおすすめなのがマッサージ。片方の手で、反対の手の指先を一本ずつ手のひらに向かって揉んでみてください。
さらに、手のひらと甲を腕の付け根へと血流を促すように掴みます。
手や腕に停滞している老廃物を、リンパへと押し出すイメージで行うと良いでしょう。
なお、「ツボ押し」も効果的です。代表的なのが、親指と人差し指の付け根が交わる部分を押しては緩めるという作業。これを何度か繰り返します。
4.体を冷やさないこと!
手や腕のむくみの悩みは、女性に多いといわれています。これはホルモンにも関係があり、更年期障害へとつながっていきます。
当然個人差はありますが、若いうちは生理、そして閉経が近づくと更年期で体のバランスを崩しがち。
それにもかかわらず体を冷やすような生活をしていると、血流やリンパの流れが悪くなり、手や二の腕がむくむことになるのです。
そうならないために、普段から「冷え」には充分に注意しましょう。
なお、徒手的な治療で改善しない場合は、循環器疾患や内分泌疾患が隠れている可能性がありますので、医師にご相談下さい。
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◆監修◆
医師・医学博士
原田文植(はらだ ふみうえ)先生
1971年、大阪生まれ。医師、医学博士、内科認定医、認定産業医、スポーツ健康医、在宅医療認定医。大阪医科大学卒業後、大阪府済生会中津病院血液リウマチ内科、国立感染症研究所を経て2008年より蔵前協立診療所所長として、地域医療に従事。年間のべ約2万人を診療している。2018年、医療と教育に特化したONE LOVEビルを建設。医療従事者向けに「日本メディカルコーチング研究所」、一般の患者向けに「よろず相談所 One Love」を開設。武道家・格闘家との交流、映画出演、音楽ライブ活動など幅広く活躍。著書に『病は口ぐせで治る!』(フォレスト出版)がある。
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