つらーい四十肩…。症状は、炎症による痛みが強い「急性期」、動かしたときのみ痛みが出る「慢性期」、そして炎症も痛みもおさまってくる「回復期」の3つ。
そんな四十肩・五十肩の対策、対処法について解説。そして原因や症状、さらに四十肩・五十肩の違いについてもご紹介します。
1.四十肩、五十肩の段階別、3つの対策
四十肩や五十肩になったら、状態の段階に応じて次のように対処しましょう。
1)炎症期
まずは炎症を抑え、痛みを軽減することが大切です。肩をできるだけ動かないように固定します。患部を冷却すると同時に、鎮静消炎剤の服用も有効でしょう。
2)慢性期
肩関節が硬くならないよう、動かせる範囲で肩の可動域を広げる体操を行います。また、慢性期は冷やすのではなく、温めることで血行がよくなって早く回復へ向かいます。
3)回復期
固まってしまった肩や腕の関節・筋肉を、ストレッチや体操などでほぐします。ただし無理はしないこと。過度に動かすと逆効果になるため、注意してください。
2.四十肩、五十肩の原因と症状
肩関節周囲炎は、骨や軟骨、靭帯などの関節を構成している肩関節周りの組織が炎症を起こすもの。
その主な原因は、老化による変性です。また、デスクワークが多いことや普段から姿勢が前かがみになりやすいことも、肩関節を硬くするため炎症を起こしやすくしているようです。
ただ、なかには原因がはっきりしない場合もあるでしょう。
ストレスや不安などによる血流障害など、いくつかの原因が複合していることもあります。
症状としては肩が痛くて腕が上がらないことのほか、特徴的なのが夜になると痛みが強くなる「夜間痛」です。
痛みで思うように眠れないこともあるでしょう。具体的な症状は、次のような3つの段階に分けられます。
1)急性期
痛みが最も強く現れる時期で、炎症を起こした部位だけではなく、周辺まで広範囲に痛みを感じます。
安静時や夜間に痛みをより感じるのが特徴。衣類の着脱や入浴、お手洗いなどの日常生活において、腕を上にあげようとすると痛みが出ます。そのため、思うように動かせない状態です。
2)慢性期
安静時の痛みはなくなりますが、腕を上にあげようとすると激痛ではなく鈍い痛みが伴います。
3)回復期
炎症や痛みが治まり、肩もほぼ違和感なく動かせるようになります。
3.四十肩も五十肩も原因は老化?症状に合わせた対処が早期回復のカギ!
四十肩も五十肩も、医学的には「肩関節周囲炎」という名称です。
発症年齢にこそ違いがありますが、その原因や症状はほとんど変わりません。
発症する年齢が四十代なのか五十代なのかで、呼び方のみが異なります。
つまり四十代なら「四十肩」、五十代なら「五十肩」となります。
どちらも肩関節周囲炎の症状で、もともとは五十肩しかありませんでした。
しかし、時代と共に四十代で発症する人が増えたことで、四十肩という呼び方が生まれたといわれています。
以下の記事もおすすめです。興味があればぜひ読んでみてください。
関連記事◆監修◆
医師・医学博士
原田文植(はらだ ふみうえ)先生
1971年、大阪生まれ。医師、医学博士、内科認定医、認定産業医、スポーツ健康医、在宅医療認定医。大阪医科大学卒業後、大阪府済生会中津病院血液リウマチ内科、国立感染症研究所を経て2008年より蔵前協立診療所所長として、地域医療に従事。年間のべ約2万人を診療している。2018年、医療と教育に特化したONE LOVEビルを建設。医療従事者向けに「日本メディカルコーチング研究所」、一般の患者向けに「よろず相談所 One Love」を開設。武道家・格闘家との交流、映画出演、音楽ライブ活動など幅広く活躍。著書に『病は口ぐせで治る!』(フォレスト出版)がある。
コメント