「昨日数ヶ月ぶりにフットサルしたら足が筋肉通で辛い」
「引越しで荷物を運んだら腕が痛い」
「子供の学校の運動会で父兄競技に出たら全身筋肉痛だ」
こんなこと、ありませんか?
検索などしてみてストレッチがいいと読んで、「本当なの?」「マッサージじゃなくストレッチ?」こんな風に考えつつこのページへ来られたかもしれません。
でもご安心ください。ストレッチは筋肉痛を緩和するのにおすすめの方法のひとつです。
本記事では筋肉痛解消を目指すためのストレッチを部位別に解説します。
読んでいただければ筋肉痛の部位にしっかりと対応できるでしょう。
さらに筋肉痛の定義。筋肉痛を解消するのにストレッチが向いている理由。ストレッチのコツや注意事項もご紹介します。
筋肉痛を緩和し、少しでも早く治すことができるよう、本稿を最後まで読んでぜひトライしてみてください。
1.筋肉痛の緩和にはストレッチが効果的
はじめに筋肉痛の解説と、筋肉痛時にストレッチをやるべき理由をご説明します。
筋肉痛の対処のためのストレッチは、運動後にしばらく休息した後に行います。その際に発熱していないか、鋭い痛みがないかなどに注意してください。
ストレッチは遅くても運動当日中、入浴後、就寝前に行いましょう。もしその時点では筋肉痛でなくても、筋肉痛の予防にもなるでしょう。
1-1.筋肉痛とは
筋肉痛は、筋肉に生じる痛みのこと。ただ一般的に筋肉痛と呼ばれているのは、運動をした、筋肉を過剰に使用あるいは過剰伸展した、その数時間後から数日後に発生する“遅発性筋肉痛”のことです。この記事では、“遅発性筋肉痛”を筋肉痛と表記します。
実は筋肉痛が生じるメカニズムについてははっきりとしていません。
主にいわれているのは2つの説です。
乳酸 筋繊維の炎症 |
いずれにしても筋線維や周りの組織が回復していくことで、一般的な筋肉痛であれば、数日で自然に解消していきます。
筋肉痛を緩和させるということは、この「筋肉痛が解消していく」間に痛みを和らげる、回復を早めることです。
その方法はいくつかあります。筋肉をアイシングで冷やすこと。筋肉を休息させること。入浴で温めること。そしてストレッチも有効とされているのです。
1-2.筋肉痛ストレッチがおすすめな2つの理由
筋肉痛の回復にはストレッチがおすすめです。その理由は2つあります。まずかたくなった筋肉をゆるめ、柔軟性を回復させられること。そしてもう1つはストレッチで筋肉を刺激=毛細血管内に血液を送る、つまり血流を増やせることです。
【理由1】かたくなった筋肉をゆるめられるから
ストレッチは筋肉痛になっている状態をゆるめるのに効果的です。運動後しばらくすると筋肉は硬化していくからです。
運動後すぐは筋肉が熱を帯びていることがあります。すでに痛みを感じていることもあります。この場合にはいったん冷やし、安静にします。
しかしその状態でいつまでも筋肉を動かさないでいると、筋肉が硬化してしまいます。そのために回復が遅れることがあります。つまり筋肉痛が長引くことがあるのです。
筋肉痛の状態でも、いったん休息した後、筋肉を適度に動かしてゆるめていくことが重要です。
【理由2】血流を促進し筋肉の回復につながるから
ストレッチは筋肉痛の緩和や、回復につながるであろう血流の促進に効果的です。なぜなら前述の通り筋肉をゆるめ、刺激することができるからです。
本来筋肉痛=筋繊維が損傷した状態になると、その筋繊維を修復するためにリンパ液や白血球が集まってきます。ただ筋肉がかたくなると血流が滞り、修復が遅れてしまいます。また疲労物質や筋繊維や組織が壊れたことによる物質、老廃物もたまってしまいます。
筋肉をゆるめ、筋肉を刺激することで血流がよくなれば、筋繊維に必要な栄養が届き、たまった老廃物なども流し、排出もできるでしょう。つまり回復につながるというわけです。
ストレッチを行うことで、乳酸濃度が短時間に減少するというデータもあります。(※)これにより筋肉痛の解消を早めることが期待できるのです。
※出典:2011年1月20日発行 西東社『伸ばす筋肉がよくわかる!スポーツストレッチ』13P
アイシング、交互浴、マッサージなどとも組み合わせて行うのも効果的とされています。次の章では筋肉痛の緩和が期待できるストレッチを部位別に紹介します。
2.【動画あり】部位別に紹介する筋肉痛ストレッチ
それでは筋肉痛を緩和する、回復を促すストレッチを部位別にご紹介します。動画があるものもありますので、ぜひご覧になってみてください。
筋肉痛の緩和が期待できるストレッチを網羅しました。部位別に紹介します。
2-1.太ももの前部分の筋肉痛ストレッチ
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチです。正座の姿勢から体を後ろに倒して手をつきます。その姿勢で腹式呼吸を行うと息を吐いた時に太ももの前が伸びることが意識できるでしょう。
2-2. 太ももの後部分の筋肉痛ストレッチ
ハムストリングのストレッチです。座って片足ずつ前に伸ばし、つま先を両手で掴んで状態を前に倒していきます。20秒~30秒、深呼吸します。
2-3.ふくらはぎの筋肉痛ストレッチ
体育座りのように座り、ふくらはぎの痛む部分、あるいはかたくなっている部分を探します。そこを両手の親指でゆっくりと痛気持ちいいくらいの力で押さえます。その状態をキープし、足首を上下に10回ほど動かします。
2-4.お尻の筋肉痛ストレッチ
お尻の片側の足を組み、下になった足の膝の位置くらいで交差させる。組んだ足をその足の逆側の腕で引っ張るようにし、お尻から太ももがゆっくり伸びている状態を20秒~30秒キープします。
2-5.腹筋の筋肉痛ストレッチ
肘をたてて腹ばい(うつぶせ)になります。無理のない程度に肩を上げるように上体をそらしていきます。
それほど腹筋が伸びないようであれば、手をまっすぐに伸ばします。この時にお腹の力を抜きつつ突き出すイメージで。肩の間に体をねじっていれていく動きも行います。
2-6.背中の筋肉痛ストレッチ
①正座をして背中と胸を張って、後ろで手の平を組みます。
体を前に倒さないようにしつつ、腕を上げていきます。
痛まない程度の高さで30秒キープしてゆるめる、を3セット繰り返します
②左手を真上に上げて肘をたたみ手の平を背中へ。右手で左手の肘の内側を持って右に引き
体も右側面へ倒していき、20秒キープ。左右逆に行うのを1セットとして2セット行います。
2-7.脇腹の筋肉痛ストレッチ
①膝を90度に曲げて仰向けに寝て、両手を組んだ状態で頭上へ肘を伸ばして上げます。
上半身を固定したイメージで、両膝をくっつけた状態のまま腰を左右へ倒していきます。これを片側5回ずつ行います。
②※①で脇腹が痛む場合に。
膝を90度に曲げて仰向けに寝ます。痛い方の脇腹を中心に体を側面へ折っていきます。その状態から両膝をくっつけた状態のまま、腰を左右へ倒していきます。これを片側5回ずつ行います。
2-8.首の筋肉痛ストレッチ
肩を上にあげつつすぼめて力をこめ、一気に脱力します。これを3回繰り返します。
手を組んで手の平を返して上を向かせ、背伸び。両腕を耳の後ろにつけて10秒間キープし元の姿勢に戻します。
両肘を後ろに引き、左右の肩甲骨を近づける、これを3回繰り返します。
肩から腕を大きく前に5回、後ろに5回まわします。
2-9.肩峰から首にかけての筋肉痛ストレッチ
①僧帽筋のストレッチを行います。真横を意識し首を横に倒していきます。耳を肩に近づけていきます。この時、肩と側頭部を手で押さえて離すようにします。
②背筋を伸ばし、胸に向けて顎を下ろすように頭を前に倒していきます。この時、後頭部を手で押さえて下げていきます。①と②を組み合わせてやるのもおすすめです。
2-10.肩から胸にかけての筋肉痛ストレッチ
①三角筋のストレッチを行います。垂直にたてた腕を壁などに当て立ちます。その腕は固定した状態で、体を背中側にひねります。腕の付け根が引っ張られる感覚があればストレッチできています。
②テーブルなどの台が背後に来るように立ちその端に両手をつけます。指がその台側に向くようにします。その状態で体を下げていきます。
③腕を胸の前でクロスさせ、片腕ずつ胸の方へ引き寄せていきます。自分の手前に引き寄せるのではなく、あくまで横に引っ張ることを意識しましょう。
この③は腕が筋肉痛の場合にも、緩和が期待できるストレッチです。引き寄せる方の腕の高さを変えることで、腕の伸ばす箇所を調整できます。
3.筋肉痛ストレッチのコツ
この章ではより効果的にストレッチを行うコツを紹介します。
3-1.体を温めてから行う
ストレッチはお風呂上がりなど体が温まった状態でやるのが効果的です。なぜならストレッチは、筋肉が温かい方が伸びやすく可動域も広げやすいからです。
運動前にストレッチを行う場合は、体に負担の少ない軽い運動でウォーミングアップを行ってからストレッチするのが適切です。
なお運動直後は前述の通り、アイシングなどでいったん筋肉を冷ますことも重要です。ストレッチをするのは冷めた筋肉を再び温めてからがおすすめです。
3-2.ストレッチ中の呼吸を意識。伸ばす時に吐くべし
息を止めずに自然に呼吸をすること、筋肉を伸ばす時に息を吐くことが重要です。やってみるとわかりますが、息を吸いながらでは筋肉は伸ばしにくいでしょう。また息を止めると力が入って筋肉はかたくなります。
なおストレッチに限らず、息を止めた状態で筋肉に負荷をかけるのは血圧が上昇するため注意が必要です。
4. 筋肉痛ストレッチの注意点
筋肉痛の緩和が期待できるストレッチですが、注意点がいくつかあります。
4-1.筋肉痛ストレッチを行う時の注意点
痛いか痛くないかのところまで伸ばす
ストレッチは「軽く我慢できる程度の痛み」で行う方がよいでしょう。強くやりすぎれば筋肉痛の状態でなくても体を痛める可能性があるからです。
ストレッチは痛い方が効果があるといわれていた時代もありますが、決して無理に行わないようにしましょう。
寝起きにすぐ行わない
前日の運動で筋肉痛の場合にはそのままストレッチを始めたくなるものです。確かに寝起きはストレッチのような伸びをするでしょう。
しかし前述の通り、ストレッチは体が温まっている状態でやるのが効果的です。寝起きは体温もまだ低く、体は寝姿勢によりかたくなっています。またこれは年齢が上がるにつれ強くなるそうです。
起きてすぐは本格的なストレッチは避け、軽く伸びをする程度にしましょう。立ち、歩き、30分から1時間くらい活動してから、前述の筋肉痛ストレッチを行うのがおすすめです。
4-2.ストレッチを行うべきでない筋肉痛
また筋肉の状態がストレッチをすべきではない場合があります。
- 筋肉痛の箇所が熱をもっている
- 筋肉痛の箇所に鋭い痛みがある
- 痛みや辛さがひどく、ストレッチの体勢を保てない
これらの場合にはストレッチをするのを控え、安静にし、落ち着いたら医療機関などに行くようにしましょう。
5.筋肉痛の予防方法
可能であれば筋肉痛を軽くする方法を頭に入れておきましょう。少しでも軽くすることができれば、回復も早まるからです。
5-1.運動前後にやるべきことをやる
まず本格的な運動前にはウォーミングアップを行い、ストレッチをして体をアクティブにしましょう。これによりけがをする可能性が下がるからです。
運動後も、クールダウンやアイシングと共に軽く筋肉を動かします。繰り返しになりますが筋肉を動かしほぐすことで血流を促し、筋肉に酸素や栄養を届け、疲労物質などを流すことにつながるからです。
5-2.運動前後の栄養補給
筋肉痛は筋肉が疲れ、痛むことで起きます。つまり筋肉が疲れないような、疲れがとれるような栄養素を摂取することが重要です。
運動の前後には「たんぱく質(アミノ酸)」「ビタミンB1」「クエン酸」を意識してとりましょう。これらは筋肉の回復などに影響を与える必要な栄養素だからです。
「たんぱく質(アミノ酸)」は筋肉の修復に使われ、「ビタミンB1」はエネルギー効率を高めるとされ、「クエン酸」は疲労物質の乳酸の解消と、筋肉内のブドウ糖(グリコーゲン)の回復を促進するといわれています。
発汗によって失われるビタミンやミネラルも必要です。これらをサプリメントやサプリで摂取するのも手軽でおすすめです。
・ビタミンB1:豚肉、豆類、玄米、全粒粉、栗
・クエン酸:梅干し、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、じゃがいも
5-3.こまめな水分補給
水分を補給することは筋肉痛予防にとっても必要なことです。
汗をかくことで血液中の水分が減り、ドロドロになると血流が悪くなると考えられるからです。
運動前後、運動中も忘れずこまめに水分を補給しましょう。
5-4.入浴
運動後にシャワーで汗を流したとしても、夜はしっかりとお風呂のお湯につかり、体を温めることが重要です。
体を温めて、血流を促すことで、筋肉の疲労回復につながるからです。
この時冷たい(ぬるめの)シャワーを浴びてから入浴する温冷交代浴(交互浴)、そしてお風呂上りのストレッチもおすすめです。
なお筋肉に強い痛みがある場合には熱いお湯につかるのは避けましょう。
5-5.マッサージ
運動後の筋肉にマッサージで刺激を与えることは筋肉痛に効果があると思われます。
マッサージは緊張が高まった状態の筋肉をほぐし、皮膚や筋肉の血行を促進する効果もあるからです、
筋肉を傷めず血流を促進するようなマッサージとはどのようなマッサージかというと、少し筋肉に圧がかかる程度に手のひらや指のはらでさする「強擦法(きょうさつほう)」です。
筋肉痛になっている部位に強い痛みがなく、適度な刺激を感じる程度であることを意識して行いましょう。
セルフマッサージがうまくできない、そもそも疲れている場合には、リラクゼーションサロンへ行くのもおすすめです。
全身のもみほぐしや足をピンポイントで施術するフットケアやリフレクソロジーなどを検討してもいいかもしれません。
以下の記事もおすすめです。興味があればぜひ読んでみてください。
関連記事6.まとめ
筋肉痛について、ストレッチで筋肉痛の緩和が期待できる理由ややり方についてわかっていただけたでしょうか?
筋肉痛を少しでも和らげることができれば、運動が楽しくなり、また運動をしようと思えるはずですよ。
ぜひこの記事の情報を生かして運動を楽しみ、健康的な毎日を送ってみてくださいね。
以下の記事もおすすめです。興味があればぜひ読んでみてください。
関連記事
コメント