このマッサージは保険証が使える?丸わかりマッサージの保険適用範囲

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腰痛がひどいのでマッサージに行こうと思ってるんだけど、健康保健は使えるのかな?

街を歩いていると「各種健康保険取扱い可能」と店の看板に出している治療院もあるので、どんな症状でも「健康保険」が使えるように思ってしまいますよね。

実は、健康保険が使えるケースは限られています。知らないまま施術を受けてしまうと、全額自己負担になってしまうこともありますから気をつけなくてはいけません。

そこで、この記事では、健康保険が使えるケースと使えないケースを具体的に紹介します

また健康保健が適用できるケースであっても、きちんと守らないと適用外となってしまう注意事項もご紹介します。

とてもありがたい健康保険制度ですが、利用方法を間違えないようにしたいものです。
この記事を読んで、適正な使用を心がけましょう。

1.マッサージで保険適用できるケースはこれだけです

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マッサージに健康保険が使えるなんて知らなかった。という方も多いかもしれませんね。理由としては、マッサージに保健適用できるケースは非常に少ないからでしょう。

またマッサージという言葉の意味もリラクゼーションサロンでのもみほぐしや、アロマリンパマッサージや足つぼマッサージなど、名称として幅広く使われており、少々分かりにくいでしょう。

この1章、2章、3章のマッサージという言葉は、国家資格の「あん摩マッサージ指圧師」によるものと定義。あわせて実質的にマッサージ行為である「柔道整復師」によるもみほぐしなどの施術への保険適用についても説明していきます。

では、保険適用の可・不可のケースをくわしく紹介します。

1-1.マッサージで保険適用できるケース

専門的な言葉で表すとこの2つのみです。

①「筋麻痺(まひ)」
②「関節拘縮(こうしゅく)」

わかりやすく説明すると、骨折や手術後の障害や脳血管障害(たとえば脳梗塞等)の後遺症などが対象となります。筋肉が麻痺して自由に動かせない、関節が硬くて動かないとか動きが悪い等の症状が健康保険の対象です。

注意していただきたいのは、「病名」ではなく「症状」に対する治療になるということです。

1-2.マッサージで保険適用できないケース

マッサージに保険適用ができないのは、1-1.以外のケース全てになります。具体的に言えば、疲労回復やリラックス目的だったり、疾病予防(病気を未然に防ぐ行為)、健康増進目的でも使えません。

つまり、単なる肩こりや腰痛を解消する目的でマッサージを利用する場合には、健康保険は適用とならないのです。

2.マッサージで保険を使いたいのなら整骨院(接骨院)で有資格者の施術を受ける

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1章を読んで「自分の症状は保険適用ができそうだ」とわかったら、次は施術が受けられる場所をみていきましょう。

基本的には、看板などに《健康保険取り扱い可能》という表示を出している整骨院(接骨院)に行けば間違いないでしょう。

保険適用について必ず詳しく説明してくれるはずだからです。

そしてマッサージで保険適用となるのは、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師が行った場合のみです

また実質的にマッサージ行為のもみほぐしなどの治療も、同じく国家資格である柔道整復師が行った場合にのみ保険が適用されます

なお「整体院」「整体サロン」の施術者の中にも、あん摩マッサージ指圧師、あるいは柔道整復師がおり、彼らが施術を行う場合に限って保険が使えるケースがあります。ただそのような整体は非常に数が少ないです。

民間資格や無資格者でも施術が可能なリラクゼーション系のマッサージ店などでは、もちろん保険適用にはなりません。カイロプラクティックのお店も同様です。

3.マッサージで保険を使う場合の注意点

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マッサージで健康保険を使いたい時の注意点です。これらの注意点をきちんと守らずに使うと、全額自己負担になってしまったり、ペナルティを受けることもあります。

必ず注意事項を守るようにしましょう。

3-1.医師の同意書が必要となる

まず一番重要なことが、「医師の同意書」がないと、あん摩マッサージ師は保険適用でマッサージを行うことができないということです。なぜ必要かというと、治療院が治療費を保険者(健康保険組合など)に保険請求をする際に、同意書の添付が必須となっているからです。

同意書の添付なく保険請求をした場合は、請求は認められず全額不支給となってしまいます。

同意書の用紙は、健康保険治療に対応可能としている各治療院(鍼灸院・整骨院など)に置いてありますので、まず最初に用紙をもらってくる必要があります。そのあとに医療機関に行き、医師に同意書を書いてもらいます。

なお接骨院で医師の同意不要で保険が適用になる場合もあります。それは柔道整復師による施術です

彼らは「負傷原因が急性または亜急性(急性に準ずる)の外傷性の負傷」である【捻挫】【打撲】【挫傷】の場合には医師の同意不要でもみほぐしなどによる「保険適用の治療」が行うことができます。

なお【骨折】【脱臼】については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。(応急手当ての最初の1日だけは同意書がなくても保険診療可)

保険が適用される柔道整復師の施術については、以下の記事で詳しく説明しています。よろしければお読み下さい。

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3-2.病院の治療と重複できる場合もあるが医師の同意が必要

鍼灸(はり・きゅう)の場合は、病院の治療と重複ができませんが、マッサージの場合は、病院や診療所に通っている最中であっても、マッサージの医療費に健康保険を重複して使用することができます。この重複使用にも医師の同意が必要です。

医師の同意を得てから利用できる期間は3ヶ月間で、それを超える場合はあらためて医師の同意が必要となります。

3-3.負傷した原因は正確に伝える

治療してもらう際に、負傷した部位はもちろん、日時や原因を正確に伝えるようにしましょう。健康保険は、基本的に“外傷性が明らかで慢性に至っていない負傷”以外は使うことができないからです。

また、通勤時や業務上のケガなどの場合は健康保険ではなく労災保険扱いとなりますので、こちらも注意しましょう。

3-4.療養費支給申請書はよく確認し、必ず自分で署名又は捺印する

療養費支給申請書は、患者が窓口で全額立て替え払いをしたあと、健康保険組合へ請求することで療養費を受け取る際に必要となる書類です。

はり・きゅう、マッサージ等で健康保険を使った場合には、患者がいったん医療費の全額を支払います(立て替え払い)。

そしてあとから自分で健康保険組合に申請して払い戻してもらう必要があり、「療養費支給申請書」に医師の同意書や領収書などを添付して健康保険組合に還付請求をします。

白紙の用紙にサインしたり、印鑑を渡してしまうと間違いのもとになりやすいので、必ず負傷原因・負傷名・日数・金額をよく確認し、必ず自分で署名や捺印をするようにしてください。

なお柔道整復師の整骨院、接骨院の場合は「受領委任制度」により一般の病院と同じように健康保険証の提示と一部負担金で施術を受けることが可能です。

療養費は、本来患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求をおこない支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復については、例外的な取扱いとして、患者が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」という方法が認められています。

このため、多くの整骨院・接骨院等の窓口では、病院・診療所にかかったときと同じように自己負担分のみ支払うことにより、施術を受けることができます。

柔道整復師が患者の方に代わって保険請求を行うため、施術を受けるときには、必要書類に患者の方のサインをいただくことが必要となります。

柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて

保険診療については以下の記事で詳しく説明しています。よろしければお読み下さい。

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3-5.領収書を必ず受け取る

領収書を必ず受け取って保管しておくようにしましょう。医療費控除を受ける際に領収書が必要となるからです。

領収書は、施術を受けた方の「氏名」「施術年月日」が正しく書かれているか確認してからもらうようにしてください。

後日、健康保険組合から送られてくる医療費通知の金額と合っているか確認もするようにしましょう。もしも違っていたら健康保険組合まで連絡を入れるようにしてください。

領収書と一緒に、施術内容の記録(負傷部位、施術日、施術内容、支払金額等)をメモなどに残しておくとさらにいいですね。

4.まとめ

健康保険を使ってマッサージ(あん摩マッサージ師による)が受けられるのは、

・筋麻痺(まひ)
・関節拘縮(こうしゅく)

この症状だけです。非常に限られた症状の方のみ適用になるということがわかっていただけたでしょうか。

また、確実に保険を適用するには、決められたルールを守る必要があります。

・医師の同意書が必要となる
・病院での治療と重複できる場合もあるが医師の同意が必要
・負傷した原因は正確に伝える
・療養費支給申請書はよく確認し、必ず自分で署名又は捺印する
・領収書を必ず受け取る

必ず注意事項を守って、正しく健康保険を使ってください。

以下の記事は整体に限らず保険による医療費控除について説明した記事です。よろしければお読みになってみてください。

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