「サウナの効果的な入り方が知りたい!」
あなたは今、そう思っていませんか?せっかくサウナに入るなら「なんとなく自己流」で入っているのはもったいない感じがしますよね。サウナの入り方を工夫するだけで健康や美容にいい効果が得られるなら、忙しい毎日に効率的です。
はい、ご安心ください。「サウナの効果的な入り方」はあります!今回はその方法をバッチリお伝えします。サウナは普通に入っても、汗をかいてスッキリするので気分転換になりますよね。しかし、コツを押さえて入ると、より安全に、医学的にも効果的に利用することができるのです。サウナの本場フィンランドでは「サウナで長寿になる」という長年の研究結果も出ています。※
しかも、サウナは「疲労回復」や「美容」にいいだけではありません。この記事にあるような入り方をすれば、「不眠症」などの自律神経系の不調改善も期待できます。サウナは心と体、両面の健康を支えてくれる、忙しい現代人の強い味方なのです。
今回は「なぜサウナが健康や美容にいいのか」を説明しながら、具体的に「疲労回復」「肩こり、腰痛」「ダイエット(痩身)」「癒しや安眠」「美肌」に効果的な入り方をお伝えしていきます。ぜひこの記事を読んでサウナを上手に使いこなしていただき、はつらつとした健康的な毎日をお過ごしいただければと思います。
※出典:サウナ通いに寿命延長効果の可能性、フィンランド研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
1.効果を出すには基本から!「王道のサウナの入り方」
まずは日本の主流である「ドライサウナ」の王道の入り方を押さえておきましょう。良い効果は得るためには、基本を正しく行うことが大切です。
サウナの基本的な入り方について知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
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1-1.入り方:「温める」→「冷やす」→「温める」を2〜3回繰り返す【温冷交代浴】
サウナの王道の入り方「温冷交代浴」は、幅広く効果があるとされる一番おすすめの効果的な入り方です。これは「温める」→「冷やす」→「温める」を繰り返す方法で、温冷の刺激によって血行が促進され、各身体機能が活性化し、自律神経も整っていきます。それでは具体的に手順を追ってみましょう。
①水分をとる
サウナでは多いときは1ℓの汗をかきます。サウナに入る前にコップ1〜2杯の水かスポーツドリンクを飲んでおきましょう。また空腹で入るのは低血糖になるので危険です。満腹も消化に悪いので、1〜2時間前に食事は済ませておいてください。
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②体と髪を洗う
サウナに入る前に、体と髪は洗っておくのがマナーです。体も少し温まって汗をかきやすくなって一石二鳥です。
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③体をよく拭いて、サウナに入る
よく汗をかくために水滴はよく拭いて入ってください。サウナの中は上段が温度高め、下段が低めになっています。好きな場所にタオルかマットを敷いて座ってください。
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④サウナの中は5〜12分。長くても15分で出る
室温にもよりますが、5〜12分、長くても15分くらいで出ましょう。体が温まって、気持ちよく汗をかいたらOKです。熱いのをがまんしたり、やたらたくさん汗をかいたりする必要はありません。むしろ交感神経が興奮して疲労が溜まり、逆効果になります。
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⑤シャワーで汗を流す
サウナの汗をぬるめのシャワーで流しましょう。
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⑥水風呂に30秒〜1分入る
水を手足から徐々にかけて慣らしてから、水風呂に入りましょう。中ではジッとするのがコツ。ほどなく体のまわりに膜ができて冷たさがやわらいできます。(この膜を「羽衣」と言います。)水風呂が苦手な人は足先を冷やすだけでもいいし、30度くらいのぬるい湯船かシャワーを使ってもいいです。
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⑦5〜10分くらい休憩する
水風呂から出たら体を拭いて、外気にあたりながらゆっくり休憩してください。外が寒い場合は、中で休んでもいいです。ここで休憩することで、温冷の刺激から開放された体がホッと息をついて、元気に甦ってきます。必ず休憩を入れてください。ここまでが1セットとなります。
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⑧またサウナに入る
体が冷えきらないうちにまたサウナに入りましょう。休憩中に汗が出た場合はシャワーをしてからサウナに入ってください。
このサイクルを2〜3回繰り返し、最後にゆっくり長く休んで終了です。
1-2.ポイント:「休憩」が効果を得る最大の山場
サウナと水風呂の後の休憩こそが「サウナの効果」を得られる最大のポイントです。サウナで温められて開いた血管が、水風呂でキュッ!と引き締められ、その後ゆっくり休憩することでじんわりと緩んで開放されていき、血流が一気に勢い良く全身を巡り始めるからです。血流が栄養や酸素を細胞に運び、体に元気を、脳に目覚めを、心に癒しを与えてくれます。
この基本の入り方をするだけでも、充分な健康増進効果が期待できます。「今の症状にどの入り方をしたらいいか?」と迷ったら、とりあえずこの「温冷交代浴」で大丈夫です。「温冷交代浴」を覚えた上で、目的別にサウナの入り方をアレンジできたら鬼に金棒ですね。それでは、それぞれの症状に合ったサウナの入り方を見ていきましょう。
2.「疲労回復」に効果的なサウナの入り方【高温の温冷交代浴】
スポーツや労働による肉体疲労の回復には、『1.効果を出すには基本から!「王道のサウナの入り方」』でお伝えした「温冷交代浴」が最も効果的です。「温冷交代浴」には平常時の2倍の血行促進力があり、疲労物質の「乳酸」をよく排出してくれるからです。さらに効果を上げるために、温度が高めのサウナに入り、体をよく温めていきましょう。
入り方
- サウナの前に湯船に入って体を温めておくと、さらに汗がかきやすくなっておすすめです。
↓ - シャワーを浴び、拭いてから、90〜100度前後のサウナへ。温度が高い上段に座って12〜15分温まりましょう。
↓ - シャワーで汗を流した後、水風呂に1分入って、休憩を5〜10分取りましょう。
↓ - 冷えきる前にまたサウナへ入ります。
↓ - このサイクルを2〜3回繰り返し、最後にゆっくり30分くらい休んで、終了です。
ポイント
- できれば途中で水分をとらずに汗と一緒に老廃物を出し切ってから、最後の休憩のときにたっぷり水分をとるのがおすすめです。(とはいえ、がまんは禁物なので、喉が乾いたら小休憩のときに水分補給をしてください。)
- 繰り返すと逆に疲労が溜まって効果が落ちるデータがあります。3回で止めておきましょう。
3.「肩こり」「腰痛」に効果的なサウナの入り方【高温短時間浴】
「肩こり」や「腰痛」には、「高温短時間浴」が効果的です。高温の短時間刺激を皮膚に与えることで神経機能を回復させます。
入り方
- 汗を流してから、90〜100度前後の高温のサウナに5〜8分くらい入ります。
↓ - シャワーで汗を流して終了です。
ポイント
- サウナから出た後、水風呂には入りません。
- 高温のサウナにサッと入って皮膚をピリッと刺激するのがポイントなので、長居は無用です。
- 「温冷交代浴」も筋肉の緊張を解いて、血流を増やすので「肩こり」「腰痛」に効果があります。
4.「ダイエット(痩身)」に効果的なサウナの入り方【繰り返し浴】
脂肪が厚めの人には体を芯まで温める「繰り返し浴」がおすすめです。
皮下脂肪は温まりにくいので、繰り返しサウナに入ることでじっくりと熱を入れ、汗を出しやすくします。
入り方
サウナに入る前に湯船に浸かって、体を温めておきましょう。
↓体を拭いて、90〜100度のサウナの上段に座り、10〜15分汗をかきましょう。
↓ぬるま湯のシャワーで汗を流したら、外気で熱を冷まします。休憩は5〜10分で、体が冷えきらないようにしてください。冷えてしまったら、湯船に浸かってください。
↓またサウナに入ります。サウナに8分入ったら5分出て、5分入ったら3分出て……と、サウナに入る時間をだんだん短くしていってください。これを3〜4セット繰り返します。
↓最後に汗を流して終了です。水分補給をしながら、ゆっくり休憩してください。
ポイント
途中で冷やさないのがポイントです。水風呂には入りません。水シャワーも避けましょう。
サウナ前に「常温」の水かスポーツドリンクで水分補給をするのがおすすめです。
「サウナに入って、即やせる」ということはありません。確かに皮膚から汗が1ml出るときに0.85カロリー使います。しかし、水分が抜けることで一時体重が減ったとしても、水分を摂ればもとに戻ってしまいます。それよりサウナを習慣化することで代謝が上がり、脂肪が燃えやすい体になることが大切です。
サウナに入ると熱のストレスでHSP(ヒートショックプロテイン)というタンパク質が増え、脂肪を燃やす褐色脂肪細胞も活性化します。血行が良くなり、老廃物の排泄はもちろん、便秘の解消も期待できます。総合的に考えて、サウナを習慣化することはダイエット(痩身)の強い味方になるでしょう。
5.「癒し」と「安眠」に効果的なサウナの入り方【低温浴】
心がお疲れの場合は、「低温浴」がおすすめです。70度くらいの低温サウナでゆっくりすることで副交感神経を優位にし、気持ちを穏やかにしてくれます。ストレス解消したいときや不眠症にも効果的です。
入り方
- シャワーを浴びた後、体を拭いて、70度くらいのサウナに15〜20分入ります。
↓ - サウナから出た後、シャワーで汗を流してください。足に水をかけると体の熱が逃げにくくなり、保温効果が高まります。
↓ - 湯冷めをしないよう温かくして30分くらい休憩して、終了です。安眠したい人は冷めきらないうちに寝るようにしましょう。
ポイント
温まりすぎて、汗をたくさんかく状態になると、体を緊張させる交感神経の方が働いてしまいます。時間にこだわらず、暑苦しさを感じたらサウナから出てください。
70度くらいのサウナがない場合は、通常のサウナの下段に座って、汗をかき始めたら出るのがおすすめです。
次に紹介する「ミストサウナ浴」や、ぬるめの「温冷交代浴」も効果的です。
6.「美容」に効果的なサウナの入り方【ミストサウナ浴】
美しい肌や髪に効果的にサウナを使いたい場合は、「ミストサウナ」がおすすめです。通常のドライサウナも皮膚の生理機能を活発にしますが、湿度が10%くらいしかないので乾燥が気になるところです。
ミストサウナの温度は40〜42度で、湿度は70〜100%にもなり、肌や髪に潤いを与えてくれます。普通のお風呂に10分浸かると肌の水分量は10%増えますが、ミストサウナなら40%増えるというデータもあります。お近くにミストサウナがあったらラッキーです。ぜひ使ってみてください。
入り方
ミストサウナに入る前に、シャワーで汗を流します。
ミストサウナに10〜20分入ります。
ミストサウナから出たら、シャワーで汗を流します。よく蒸されて汚れが落ちやすくなっているので、体や髪を洗うのがおすすめです。
潤いを保つために、よく保湿してください。
ポイント
ミストサウナがない場合、「温冷交代浴」もおすすめです。サウナの下段に座り、乾燥を防ぐために濡れタオルで髪や顔を覆ってください。
塩でマッサージする「塩サウナ」、よもぎスチームの「よもぎサウナ」、サウナストーンにアロマ水をかける「ロウリュー」などもおすすめです。
以上、目的別にサウナの入り方をご紹介しましたが、入る分数などはあくまで目安です。施設によってサウナの設定温度が違い、また利用する人のその日の状態によっても変わってきます。サウナは、「自分が気持ちいい」と思うことが一番の健康ポイントです。無理をしないで、自分に合わせて調整してみてください。
7.サウナが健康と美容に効果的な理由
サウナには数々の健康・美容効果が報告されています。健康と美容にいい、大きな理由を4つあげてみましょう。
- 体を温めることで血行が促進、老廃物が排泄され、新陳代謝が上がります。各器官の機能も高まり、不調を整えます。
- 熱ストレスを受け、体温が38度以上になるとHSP(ヒートショックプロテイン)というタンパク質が増えます。HSPには細胞を修復する作用、免疫増強作用、抗炎症作用などがあり、疲労回復や美容はもちろん、アレルギー改善やガン発生の抑制効果も期待できると言われています。
- 特に温冷交替浴をすることで、自律神経が刺激されて正常に整います。
- 入浴も体を温めますが、水圧が血管を細くします。また運動も体に故障がある人には負担になります。サウナは水圧もなく、体を激しく動かすこともなく、効率的に血流をアップすることができます。
サウナは疲労回復やデトックスをはじめ、冷え、肩こり、腰痛、生理痛、不眠症、便秘のほか、日常の軽度の不調改善に効果的です。血行が良くなれば、酸素や栄養が細胞に行きわたるので、美肌や老化防止にも役立ちます。フィンランドではサウナを習慣化している人の方が認知症の率も低く、長生きするというデータも出ています。しかし、そもそも「血の状態」が良くないといくら血行をよくしても意味がありません。日頃からビタミン・ミネラルたっぷりの食事や充分な睡眠をとるようにしましょう。
8.サウナの注意点
サウナは狭い部屋に大勢の人が入ります。マナーを守って気持ちよく使いましょう。また、入り方を間違うと健康に悪影響も出ます。以下の注意をよく守って安全に使ってください。
サウナの温度について知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
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9.まとめ
サウナの効果的な入り方は、いかがだったでしょうか?ポイントをまとめますと……。
- 万能に効果的なのは、サウナ→水風呂→サウナの「温冷交代浴」
- 肉体疲労には、「温度高めの温冷交代浴」
- 肩こり、腰痛には、高温に8分でピリッと刺激の「高温短時間浴」
- ダイエットには、水風呂に入らないで温める「繰り返し浴」
- 癒しや安眠、ストレス解消は、ぬるいサウナにゆっくり「低温浴」
- 美肌には、潤いたっぷり「ミストサウナ」
- サウナは体を温め、血流を増やして、自己治癒力をアップ!
- 継続することで体質改善も期待できるパワーがある。
……でした。ここまでわかれば、あなたもかなりのサウナ通です。ぜひ目的別にサウナを使いこなして、健康で若々しく、イキイキとした毎日をお過ごしください。
以下の記事もおすすめです。興味があればぜひ読んでみてください。
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