「頭痛がする、これってどこかで聞いたことがあるけど、肩こりが原因じゃないか…?」
今あなたはこのように考えているかもしれません。もし自分が慢性的な肩こりだと自覚があるならば、それが頭痛の原因と考えてほぼ間違いないでしょう。
この記事は肩こりと頭痛の関係、頭痛の種類、肩こりの解消法、頭痛をともなう肩こりについての注意点などを解説します。
内容を参考にしていただき頭痛について理解したら、ぜひ頭痛を改善するための肩こり解消法をやってみてください。
1.肩こりは頭痛の原因
もしあなたの頭痛が、この章で説明しているような症状であれば、その原因は肩こりです。まずは頭痛と肩こりの関係、頭痛を引き起こす肩こりのメカニズム、参考までに肩こりと関係がない頭痛について解説します。
1-1.頭痛は肩こりの症状のひとつ
肩こりがひどくなると肩の周辺以外に痛みや違和感がでます。そしてさらに頭痛が起こることもあります。
肩こりのような、筋肉の緊張が原因の頭痛は「緊張性頭痛」と呼ばれています。これは頭痛のうち7割を占めるともいわれています。
出典:ズキラボ|小林製薬
主な症状として、後頭部を中心に首筋、頭の両側にかけて、頭を紐のようなもので締め付けられるような、頭に重たいものが載っているような感覚になります。
また頭を動かしても痛みに変化はなく、めまいをともなうことがあります。なお吐き気はあまりでないでしょう。
これらの症状に当てはまる場合には、2章の解消法をチェックしてください。また【1-3】では緊張性頭痛以外の頭痛について解説します。
1-2.頭痛を引き起こす肩こりの仕組み
ひどい肩こりがどのように頭痛を引き起こすのかを説明します。頭の周りや首の後ろから肩、背中にかけての筋肉が緊張する、つまり肩が凝ります。このような筋肉の緊張状態が続けば血流が悪くなります。すると老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて頭痛が起きるとされています。
つまり「緊張性頭痛」の場合には、肩こりなどの筋肉の緊張を緩和することで頭痛が解消されるのです。今すぐ解消法を知りたい方は2章をご確認下さい。
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関連記事1-3.肩こりが原因ではない頭痛
頭痛にはいくつか種類があり、症状によってある程度は判断できます。上記のように明らかな緊張性頭痛ではない場合、自分では判断がつかない場合には、整形外科などの医療機関を受診してください。
偏頭痛
ズキン、ズキンと脈打つように頭の片側が痛む。吐き気をもよおすことがある。光(明るい場所)や音が耐えられなくなることがある。痛みや症状で日常生活が行えなくなる。頭の位置を動かすと、痛みが増強することがある。
頭痛発作が始まる前に、目の前に火花が散るような光がみえる前兆が起こる(閃輝暗点)。緊張型頭痛の症状もあわせもつことがあり、その頭痛は混合型と呼ばれる。
群発頭痛
片方の目の奥が激しく痛む頭痛。毎日決まった時間帯に起こり数時間続く。頭痛発作が毎日約2ヶ月間、群発する。数年おきに起きる。
二次性頭痛
病気や内臓の症状が原因の頭痛。突然起こる、鈍器で殴られたような、今まで感じたことのない痛み、意識が遠くなる感覚、言語や運動の麻痺、発熱や強い吐き気からの嘔吐、これらが同時に起こることがある。
副鼻腔炎(耳鼻咽喉科)、緑内障(眼科)、顎関節症(整形外科)などが頭痛の原因となる。さらに緊急性の高い病気・症状の可能性もあるので、脳神経外科や神経内科などのある総合病院をすぐに受診すべき。
薬物乱用頭痛
月に10日以上飲んでいる人が薬物の依存によって発症する頭痛。無水カフェインを含んだ薬は依存性を招きやすいとされている。二次性頭痛に含まれる。
2.頭痛を引き起こす肩こりの解消方法
1章で説明したように明らかな「緊張性頭痛」の場合には、以下のことを試してみることをおすすめします
2-1.軽めの運動
軽い全身運動を行うことで、体をあたため筋肉がほぐれ、肩こりの改善が狙えます。水泳、ウォーキング、ヨガ、ストレッチなども軽めの運動に含まれます。
なお本当に軽めを意識してください。元々運動不足の人は特に、無理をすることで体を痛め、動作や姿勢が偏り、体の歪みに繋がることがあるからです。
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関連記事2-2.リラックスする
体だけでなく心をゆったりとさせることで、体の余分な力も抜けて、筋肉の緊張が緩和します。お風呂でぬるめの湯船に浸かる、半身浴、好きな音楽を聴く、アロマテラピー、自分好みのリラックスタイムを過ごしてみてください。
また仕事で長時間同じ姿勢でいる場合は、小休止を心がけ、体の姿勢を意識して整えるようにしましょう。座っているだけであっても、ひとつのことを続けると、同じ筋肉を使う(負荷をかける)ことになるからです。
2-3.直接あたためて血行を促す
肩こりは筋肉が緊張することで血行が悪くなっている状態です。そのため肩周りをあたためることが重要です。
前述の通りお風呂で湯船に浸かる。蒸しタオルをつくり肩にのせる(しぼった濡れタオルを電子レンジであたためてもできます)。夏場に冷たいものを飲み過ぎない、冷房の風が直接体にあたらないように心がける、などを意識するだけでも違います。
お風呂で湯船に浸かることは、水圧による血流の促進も期待できます。
2-4.プロの手でケアしてもらう
頭痛が起こるほどひどい肩こりになったときは、整体へ行きましょう。筋肉をもみほぐし、ゆるめることが肩こりおよび頭痛を緩和するからです。
客観的に体の状態をチェックしてもらうことは、専門家にしかできないでしょう。自分でできる対処法を行いながら、専門家にも診てもらうことでより効果的に肩こりの改善を目指していけるでしょう。
また整体師が肩を触ると、思ったより肩が凝っていない場合があります。それは肩こりが原因の頭痛ではないということになるので、病気の症状を疑い、医療機関を受診してください。
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関連記事3.頭痛をともなう肩こりの注意点
ここまで頭痛と肩こりの関係、解消法などを解説しましたが、注意しておくべきことがいくつかあるので解説します。
3-1.パソコンでの長時間作業時の姿勢
デスクワークの中でパソコンを使うのが普通になっている現代。しかも多くの方が長時間作業を行っているでしょう。その時に注意しておくことは姿勢です。正しい姿勢を維持しなければ、体のいずれかの部位に負荷がかかり、それが肩こりや腰痛などを引き起こすからです。
ここでは肩こりの予防になる具体的なポイントもご紹介します。
- ディスプレイは最上部が目の位置より少し下になるくらいの高さに
- 座ってキーボードに手を置いたとき、肘が90度になるように
- 椅子の高さは膝が90度になるようにし、足裏全体が床に着く
- 肘かけのある椅子を選ぶ
- 足は組まない
- 椅子には深く腰掛け、骨盤を立てて背筋を伸ばします
- マウスを操作する位置は体からあまり離さない
- ノートパソコンも本体の高さを調節するグッズなどを使う
3-2.高血圧が原因の肩こりがある
実は肩こりは高血圧の症状のひとつとして現れることがあります。高血圧が原因であれば、降圧剤などを飲むことで肩こりと頭痛が改善するでしょう。
もし肩が凝っていて血圧が高い自覚がある方、今まで血圧が高くなくても年齢が中年期を迎えている方なら、非常に注意すべき点です。著しい血圧上昇により、脳、腎、心臓、網膜などの心血管系の臓器に障害が起こる可能性もあるからです。
高血圧とは以下のように定義されています。
- 病院での計測が最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上
- 家庭での計測が最高血圧135mmHg以上、最低血圧85mmHg以上
血圧は加齢により上昇する傾向があります。年とともに血管が硬くなったり、血管の壁が厚くなったりすることで、血流が悪くなるからです。
まずは血圧を測ってみましょう。寝る前や起きて1時間後など、毎日決まった時間に2回測り、1週間の平均値をみてください。
3-3.医療機関を受診する判断は迅速に
繰り返しになりますが、肩こりと頭痛が同時に起きている状態で、その症状の自己判断が難しい場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。重篤な病気や状態が原因での肩こりや頭痛の可能性があるからです。
まずは整形外科でかまいません。担当医へできるだけ詳細に状態を相談しましょう。
4.まとめ
頭痛をともなう肩こりについて、その仕組みや解消法を解説しました。さらに頭痛の種類をご紹介し、注意すべき点もピックアップしました。
ここまで読んで頭痛と肩こりについて正しく理解していただき、不調の改善に役立てば嬉しいです。
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